■異常出水「想定外」/関係者「5人の無事祈る」
倉敷市のJX日鉱日石エネルギー水島製油所で、7日に起きた海底トンネル事故。作業員5人が行方不明となったが、捜索活動が難航し、安否は分からないまま。「一刻も早く救出を」。製油所や工事関係者らが祈るように状況を見守った。
JX日鉱日石エネルギー水島製油所は、水島コンビナートの東側に位置する。広大な敷地の北西にある事故現場まで、報道陣が待機していた本館から、車で3分ほどの距離があった。
第2パイプラインのトンネル工事現場に着くと、縦穴の入り口から南に約50メートルに県警の規制線が張られ、救急車や警察車両、機動隊水難救助隊の車が複数台止まっていた。
捜索状況は分からなかったが、入り口を囲むように捜索を見守る捜査員らの姿が見えた。港をはさんで対岸には、パイプラインでB工場とつながるA工場がのぞめた。
縦穴の入り口からあふれ出た汚泥水が、南に100メートル以上も伸びて、大きな水たまりをつくっており、トンネル内で異常な出水があったことがうかがえた。
現場近くで、機材の搬入作業をしていた男性がいた。事故があった工事現場に入り、行方不明者と一緒に働いていたという。事故について問いかけると、「まあ……」とだけ答え、すぐに下を向いた。
「少しでも早く救出されることを、お願いします」
工事を受注した鹿島の会見は午後5時半に始まり、2時間にも及んだ。会見の最後、水島海底シールド工事事務所の竹下一敏所長は、目に涙を浮かべて、そう絶叫した。
会見はJX日鉱日石エネルギー水島製油所の別館であり、約50人の報道陣が集まった。
事故の原因を尋ねる質問が相次いだが、竹下所長は「(掘削する)シールドマシンの先端部から浸水したのか、組み立てたトンネルが崩落したのか、詳しいことは分からない」と繰り返すばかり。「異常出水は過去の工事で聞いたことがなく、想定もしていなかった」と話した。
事故の起こる約40分前にトンネル内から出た出石陽一・工事事務所工事課長は、行方不明者について、「つい先ほどまで一緒に仕事をしていた仲間。本人や家族に大変申し訳ない。一刻も早く助けてあげてほしい」と表情を曇らせた。
行方不明の5人は、「真面目な明るい、気のいい人」(竹下所長)。全員が倉敷市内の同じアパートに暮らし、毎朝、車に分乗して、工事現場まで一緒に来ていたという。
asahi.com:所長絶叫「救出を」/海底トンネル事故-マイタウン岡山